検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 250 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

報告書

Data report of ROSA/LSTF experiment TR-LF-15; Accident management actions during station blackout transient with pump seal LOCA

竹田 武司

JAEA-Data/Code 2023-012, 75 Pages, 2023/10

JAEA-Data-Code-2023-012.pdf:4.45MB

ROSA-V計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号: TR-LF-15)が2014年6月11日に行われた。ROSA/LSTFTR-LF-15実験では、加圧水型原子炉(PWR)のポンプシール冷却材喪失事故(LOCA)を伴う、補助給水機能喪失を特徴とするTMLB'のシナリオでの全交流電源喪失時のアクシデントマネジメント(AM)策を模擬した。ポンプシールLOCAは、0.1%低温側配管破断により模擬した。このとき、非常用炉心冷却系(ECCS)である高圧注入系及び低圧注入系の全故障とともに、ECCSの蓄圧注入タンクから一次系への非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。蒸気発生器(SG)二次側水位が特定の低水位まで低下すると、一次系圧力は上昇に転じた。SG二次側水位喪失後、加圧器の安全弁が周期的に開いたため、一次冷却材の喪失につながった。故に、高圧条件でボイルオフによる炉心露出が生じた。模擬燃料棒被覆管表面温度の10Kの上昇を確認した時点で、SG二次側減圧を一番目のAM策として開始した。このAM策では、両SGの安全弁を開放した。また、一番目のAM策開始後少し遅れた時点で、加圧器の安全弁の開放による一次系減圧を二番目のAM策として開始した。さらに、一番目のAM策に従いSG二次側圧力が1.0MPaに低下した時点で、低水頭ポンプによる給水ラインから両SG二次側への注水を三番目のAM策として開始した。三番目のAM策の開始直後、SG二次系からの除熱が再開したため、一次系圧力の低下が促進された。蓄圧注入系から両低温側配管への冷却材注入による炉心水位の回復により、全炉心はクエンチした。窒素ガスがSGU字管内に蓄積したため、一次系の減圧率は低下した。本報告書は、ROSA/LSTFTR-LF-15実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。

報告書

軽水型動力炉の非常用炉心冷却系の性能評価指針の技術的根拠と高燃焼度燃料への適用性

永瀬 文久; 成川 隆文; 天谷 政樹

JAEA-Review 2020-076, 129 Pages, 2021/03

JAEA-Review-2020-076.pdf:3.9MB

軽水炉においては、冷却系配管破断等による冷却材喪失事故(LOCA)時にも炉心の冷却可能な形状を維持し放射性核分裂生成物の周辺への放出を抑制するために、非常用炉心冷却系(ECCS)が設置されている。ECCSの設計上の機能及び性能を評価し、評価結果が十分な安全余裕を有することを確認するために、「軽水型動力炉の非常用炉心冷却系の性能評価指針」が定められている。同指針に規定されている基準は1975年に定められた後、1981年に当時の最新知見を参考に見直しが行われている。その後、軽水炉においては燃料の高燃焼度化及びそれに必要な被覆管材料の改良や設計変更が進められたが、それに対応した指針の見直しは行われていない。一方、高燃焼度燃料のLOCA時挙動や高燃焼度燃料への現行指針の適用性に関する多くの技術的な知見が取得されてきている。本報告においては、我が国における指針の制定経緯及び技術的根拠を確認しつつ、国内外におけるLOCA時燃料挙動に係る最新の技術的知見を取りまとめる。また、同指針を高燃焼度燃料に適用することの妥当性に関する見解を述べる。

論文

Major outcomes through recent ROSA/LSTF experiments and future plans

竹田 武司; 和田 裕貴; 柴本 泰照

World Journal of Nuclear Science and Technology, 11(1), p.17 - 42, 2021/01

Many experiments have been conducted on accidents and transients of pressurized water reactor (PWR) employing the rig of safety assessment/large-scale test facility (ROSA/LSTF). Major results of the related integral effect tests with the LSTF were reviewed to experimentally identify thermal-hydraulic phenomena involved, regarding the PWR accident sequences in accordance with the new regulatory requirements for the Japanese light-water nuclear power plants. Key results of the recent integral effect tests utilizing the LSTF and future plans were presented relevant to multiple steam generator tube rupture accident with recovery operation, small-break loss-of-coolant accident (LOCA) with accident management measure on core exit temperature reliability, and small-break LOCA with thermal stratification under cold water injection from emergency core cooling system into cold legs.

論文

Progress and status of the gyrotron development for the JT-60SA ECH/CD system

小林 貴之; 澤畠 正之; 寺門 正之; 平内 慎一; 池田 亮介; 小田 靖久; 和田 健次; 日向 淳; 横倉 賢治; 星野 克道; et al.

Proceedings of 40th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz 2015) (USB Flash Drive), 3 Pages, 2015/08

JT-60SAにおける電子サイクロトロン加熱電流駆動(ECH/CD)用にジャイロトロン開発を行っている。高出力、長パルス試験を行い、110GHzと138GHzの2つの周波数において、1MW/100秒の出力を得ることに世界で初めて成功した。この結果により、JT-60SAに求められるジャイロトロンの性能を、完全に満たした。また、空胴共振器、コレクター及び不要高周波の吸収体の熱負荷を実験的に評価した結果、熱負荷の観点では、更なる高出力での運転が、両方の周波数で可能であることを示した。さらに、上記2周波数に加えた付加的な周波数として、82GHzでの発振が、これまでのところ、0.4MW/2秒まで得られている。110/138GHzにおける1.5MW以上の出力や、82GHzにおける1MW出力を目指した大電力試験が進展中であり、最新の成果について報告する。

論文

Study of ohmic loss of high power polarizers at 170 GHz for ITER

柏 吉忠*; 三枝 幹雄*; 高橋 幸司; 春日井 敦; 坂本 慶司

Fusion Engineering and Design, 81(19), p.2249 - 2256, 2006/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:30.64(Nuclear Science & Technology)

磁化プラズマにおける高効率電子サイクトロン電流駆動には、特定の偏波をプラズマ中に入射する必要がある。その偏波を作るために格子状溝を有する反射板(偏波器)を使用する。ITER用偏波器は1MWミリ波の定常伝送が要求されており、その伝送性能を示す必要がある。本研究では、伝送時に生ずるオーミック損失を評価する計算コードを開発し、そのコードを用いて格子溝内外に流れる電流を計算し損失評価を行った。その結果、定性的に実験結果と一致することを明らかにした。

論文

Cross-machine benchmarking for ITER of neoclassical tearing mode stabilization by electron cyclotron current drive

La Haye, R. J.*; Prater, R.*; Buttery, R. J.*; 林 伸彦; 諫山 明彦; Maraschek, M. E.*; Urso, L.*; Zohm, H.*

Nuclear Fusion, 46(4), p.451 - 461, 2006/04

 被引用回数:151 パーセンタイル:97.54(Physics, Fluids & Plasmas)

新古典テアリングモード(NTM)は、ITER標準シナリオにおいては理想キンク限界よりも低いベータ領域で発生し、プラズマ性能を制限する主要な要因となる。ポロイダルモード数$$(m=3)$$,トロイダルモード数$$(n=2)$$のNTMは、(1)NTM成長率が最大となる特徴的な「限界」磁気島幅,(2)無変調のco方向の電子サイクロトロン電流駆動(co-ECCD)による「飽和した」3/2 NTM磁気島の安定化に関する実験研究が特に進んでいる。ASDEX-Upgrade, DIII-D, JETにおけるベータ・ランプダウン実験(ベータ値を徐々に下げる実験)から、$$m/n=3/2$$のNTMを(ECCDなしで)消滅させるための限界ベータ値が決定された。このデータと、ASDEX-Upgrade, DIII-D, JT-60UにおけるECCDによる3/2 NTM安定化実験(ベータ値はほぼ一定)との比較を行った。その結果、両方の実験データセットにおいて、NTMが消滅する磁気島幅はイオンバナナ幅の約2倍であることが明らかになった。解析にあたり、4装置ASDEX Upgrade, DIII-D, JET, JT-60Uにおける飽和磁気島幅を評価する共通の方法を開発した。また、この比較で得られたモデルを用いてITERにおけるECCDを用いた$$m/n=3/2$$, 2/1のNTMの安定化の評価を行った。その結果、ITERの上方ECCD入射方式は、磁気島幅を大幅に減少させるのに有効であることが明らかになった。また、ECCDは、ITERにおいてモードロックを回避するのにも有効であることがモデル計算により明らかになった。

論文

Conceptual study of ECH/ECCD system for fusion DEMO plant

坂本 慶司; 高橋 幸司; 春日井 敦; 南 龍太郎; 小林 則幸*; 西尾 敏; 佐藤 正泰; 飛田 健次

Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1263 - 1270, 2006/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:41.32(Nuclear Science & Technology)

本論文は、炉システム研究室が提示した発電実証炉の仕様をベースに、DEMO炉の電子サイクロトロン共鳴加熱(ECH/ECCD)システムを検討したものである。具体的には、発電実証炉のトロイダル磁場から、周波数の第一候補を300GHzとし、これに対応する超高次モード(TE31, 20)を用いた300GHz帯エネルギー回収型ジャイロトロンの設計,300GHz帯ダイヤモンド窓,伝送系,遠隔ミラー制御型結合系の概念設計を行った。併せて、必要な技術開発の方向を明らかにした。

論文

Suppression of neoclassical tearing modes towards stationary high-beta plasmas in JT-60U

諫山 明彦; JT-60チーム

Plasma Science and Technology, 8(1), p.36 - 40, 2006/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:14.62(Physics, Fluids & Plasmas)

新古典テアリング不安定性(NTM)は正磁気シアプラズマにおいて理想限界よりも低いベータ領域で発生し、プラズマ性能を制限することから、その抑制手法の確立が急務となっている。JT-60UではNTMの抑制手法として、(1)NTM発生位置への電子サイクロトロン電流駆動/加熱によるNTMの安定化,(2)圧力・電流分布の最適化によるNTMの回避に取り組み、それぞれにおいて重要な知見を得て来た。本講演では、NTMの抑制; 安定化と回避に関してJT-60Uで得られた成果と課題を発表する。NTMの抑制においては、不安定化に働く自発電流項の寄与の減少、または安定化に働く分極電流項の寄与の増大が重要である。NTMを抑制した放電及びNTMが発生した放電の圧力・電流分布の発展をシミュレーションを援用して解析することにより、後者の寄与が大きいことが明らかになった。また、電子サイクロトロン電流駆動によるNTM安定化においては、電子サイクロトロン波のビーム幅,電子サイクロトロン駆動電流密度により安定化効果が大きく変わることを明らかにするとともに、安定化のために要請される電子サイクロトロン波のビーム幅と駆動電流密度の関係を明らかにした。

論文

Development and contribution of RF heating and current drive systems to long pulse, high performance experiments in JT-60U

森山 伸一; 関 正美; 寺門 正之; 下野 貢; 井手 俊介; 諫山 明彦; 鈴木 隆博; 藤井 常幸; JT-60チーム

Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.343 - 349, 2005/11

 被引用回数:7 パーセンタイル:44.84(Nuclear Science & Technology)

JT-60Uにおいて、高$$beta$$プラズマの長時間維持等を目指した最大65秒間放電を継続する実験を行っている。電子サイクロトロン(EC)装置は、加熱だけでなくリアルタイムで入射角度を制御できるアンテナを開発し、電流分布制御や新古典テアリングモードの抑制による閉じ込め性能改善に貢献している。これまでに2.8MW, 3.6秒(10MJ)の入射を達成しているが、プラズマの長パルス化にあわせて0.6MW, 30秒の入射を目指している。伝送系冷却と真空排気の増強,耐ノイズ性能を高める改造とともに導波管型の1MW定常模擬負荷を用いたジャイロトロン動作の調整を行い、8.7秒間のプラズマへの入射と16秒間(400kW/ユニット)のジャイロトロン出力に成功している。ジャイロトロンのパルス幅延伸には、長時間の電子放出でカソード温度が下がりビーム電流が減少して発振条件がずれる問題への対処が重要であり、パルス中にヒータ電力,アノード電圧を上げる制御を行うことで良好な発振条件を持続させることに成功した。一方、低域混成波(LH)電流駆動装置では長年の実験で変形したステンレス製アンテナ先端を炭素化する改造を行い、入射パワーと耐熱負荷性能の向上が期待される。これまでに5.1MJまでの入射を達成しておりエージングを継続中である。

論文

Thermal analysis and Ohmic loss estimation of polarizer for ITER ECCD system

三枝 幹雄*; 高橋 幸司; 柏 吉忠*; 大石 晋平*; 星 勇気*; 中畑 裕行*; 春日井 敦; 坂本 慶司; 今井 剛*

Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.473 - 478, 2005/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:30.44(Nuclear Science & Technology)

国際熱核融合実験炉用電子サイクロトロン電流駆動装置の偏波器を開発し、170GHz, 441kW, 6sまでの大電力長パルス試験を行った。また、偏波器へ入力する直線偏波の入射偏波面を別の偏波器で回転させて偏波器の損失を温度上昇で測定したところ、偏波器の高周波損失は、入射偏波と回折格子の回転角に大きく依存し、その依存性は電磁界解析結果と定性的に一致した。電子サイクロトロン波のプラズマへの高効率結合に必要な入射偏波条件における損失の変化範囲は、理論値で0.2%から1.6%程度にまで変化した。

論文

Compact antenna for two-dimensional beam scan in the JT-60U electron cyclotron heating/current drive system

森山 伸一; 梶原 健*; 高橋 幸司; 春日井 敦; 関 正美; 池田 佳隆; 藤井 常幸; JT-60チーム

Review of Scientific Instruments, 76(11), p.113504_1 - 113504_6, 2005/11

 被引用回数:6 パーセンタイル:33.42(Instruments & Instrumentation)

JT-60Uにおいて、電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)での加熱・電流駆動実験を行うことを目的とするECRF装置用の新しいアンテナを設計製作した。プラズマにミリ波ビームを入射する際、旧型のアンテナでは1方向のみのスキャンが可能であったが、新アンテナはトロイダル,ポロイダルの両方向にビームスキャンが可能である。ポロイダルスキャンでは電流駆動の位置を制御し、トロイダルスキャンでは駆動電流の方向を制御することができるため、実験の自由度を飛躍的に向上させることができる。真空容器に支持された可動平面鏡と、真空容器外から支持された導波管先端に取り付けた回転式焦点鏡の組合せによって2次元のビームスキャンを可能にした。あえて二つの鏡を分離して支持することで、設計の自由度を確保し、非常に浅いポートの限られた空間(20cm$$times$$54cm$$times$$20cm)で、最大限のスキャン角度範囲を実現した。平面鏡は3mの長尺ドライブシャフトを介してサーボモーター駆動し、焦点鏡はエアシリンダーで駆動することで、JT-60Uの強磁場環境下での動作を可能にした。焦点鏡ベアリングに関する小改造を行って以降、3年間実験に使用して、信頼性の高い動作を実証した。電流分布制御をはじめとするECRF加熱・電流駆動実験に貢献している。

論文

Current status of experimental study and device modifications in JT-60U

栗原 研一; JT-60チーム

Proceedings of 21st IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/09

トカマク型磁気核融合研究は、国際プロジェクトITERに向けて一歩踏み出そうとしているこの時期に、JT-60などの既存のトカマク装置に対しては、より先進的な運転シナリオを探究する役割が期待されている。このために、JT-60では、2003年には電源及び加熱装置の制御系を改造することにより、放電,NBI/RF加熱時間をそれぞれ65秒,30秒/60秒に延伸し、(a)自発電流割合75%の負の磁気シアプラズマを7.4秒持続。(b)規格化ベータ値3.0をECCDによるNTM不安定性を抑制し6.2秒間準定常的持続、などの成果が得られた。さらなる高性能プラズマ実現に向けて、トロイダルリップル損失を最小限にするフェライト板を第一壁に装着したり、プラズマ電流分布の実時間再構築法の開発などが進行している。シンポジウムでは、JT-60におけるプラズマ実験研究の現状について、装置改造の最新情報を交えて紹介する。

論文

Steady-state sustainment of high-$$beta$$ plasmas through stability control in Japan Atomic Energy Research Institute tokamak-60 upgrade

諫山 明彦; JT-60チーム

Physics of Plasmas, 12(5), p.056117_1 - 056117_10, 2005/05

 被引用回数:28 パーセンタイル:65.6(Physics, Fluids & Plasmas)

経済的な核融合炉を実現するためには高ベータプラズマを定常的に維持することが不可欠であり、そのためにはMHD不安定性を抑制することが重要である。JT-60では高$$beta_{rm p}$$Hモードプラズマ及び負磁気シアプラズマの高ベータ定常化研究を行い、以下の結果を得た。(a)高$$beta_{rm p}$$Hモードプラズマにおいて高ベータ化を阻害する新古典テアリング不安定性(NTM)の発生を圧力分布・電流分布の最適化で回避することにより$$beta_{rm N}sim 3$$を約6秒間維持することに成功した,(b)電子サイクロトロン波を入射してNTMを安定化することによりプラズマ性能を回復し、$$beta_{rm N} H_{rm 89PL}sim 5$$($$beta_{rm N}sim 2.9$$, $$H_{rm 89PL}sim 1.8$$)を維持することに成功した,(c)負磁気シアプラズマでは$$beta_{rm p}sim 2.25$$,$$H_{rm 89PL}sim 3$$,自発電流割合$$sim$$75%の状態を7.4秒間維持することに成功した。負磁気シアプラズマではコラプスの発生により定常維持が阻害されるが、プラズマの回転の制御が定常維持に成功した要因の1つとして考えられる。さらに、JT-60では2003年に電源・加熱・計測等の改修を行い、65秒間の放電が可能となった。2004年前半の運転では、ITERの標準運転と同程度の規格化ベータ値($$beta_{rm N}=1.9$$)のプラズマを電流拡散時間の2倍以上に相当する24秒間維持することに世界で初めて成功した。この間、閉じ込め性能の大幅な劣化を引き起こす不安定性は発生しておらず、ほぼ一定の電流分布が維持されている。

論文

Monte-Carlo simulation of electron cyclotron current drive in NTM magnetic islands

濱松 清隆; 滝塚 知典; 林 伸彦; 小関 隆久

Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00

ITER等の核燃焼プラズマでは、新古典テァリング・モード(NTM)の安定化が重要課題の一つとされ、電子サイクロトロン(EC)波による電流駆動(ECCD)の有効牲が注目されている。この安定化には、NTMによる磁気島内部での電流駆動が有効であるが、ECCDの数値解析は光線追跡法によってEC波の伝播・吸収を評価し、フォッカー・プランク(FP)方程式によって電子の速度分布関数の歪みを解析し駆動電流を評価する方法が一般的である。このFP方程式による解析では、磁場は軸対称であり磁気面が入れ子状であると仮定している。しかし、NTMによる磁気島が存在する場合には、上の仮定条件が破れ、通常の方法によるECCD解析の妥当性が疑問となる。このため、クーロン衝突並びにEC波の吸収過程をモンテカルロ法で模擬し、電子軌道を追跡する数値シミュレーションを行った。その結果、磁気島の無い場合の電流駆動効率と比較して磁気島内部での電流駆動効率は1桁以上大きいことを見いだした。

論文

Stabilization of neoclassical tearing mode by electron cyclotron current drive and its evolution simulation on JT-60U tokamak

長崎 百伸*; 諫山 明彦; 林 伸彦; 小関 隆久; 武智 学; 大山 直幸; 井手 俊介; 山本 聡*; JT-60チーム

Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11

本論文では、JT-60Uにおける電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)による$$m=3/n=2$$の新古典テアリングモード(NTM)の安定化研究の成果を記述している。NTMの成長が飽和した後にECCDを行った場合とNTMの発生前にECCDを行った場合(早期入射)とで安定化効果の比較を行った結果、NTM発生前にECCDを行う方が安定化効果が大きいことが明らかになった。また、第2高調波XモードのECCDによりNTMを安定化し$$beta_{rm N}sim 2.9$$を5秒間維持することに成功した。さらに、NTMを記述する修正Rutherford方程式を1.5次元輸送コードTOPICSに統合することによりNTMの成長・消滅過程のシミュレーションを行った。その結果、シミュレーションはNTMの時間発展に関する実験結果をよく再現することが明らかとなった。同時に、早期入射の実験結果はシミュレーションでは再現できず、実験結果を説明するには早期EC波入射による自発電流やテアリングパラメータの変化を考慮する必要があることも明らかとなった。

論文

Study of millimeter wave high-power gyrotron for long pulse operation

春日井 敦; 坂本 慶司; 南 龍太郎; 高橋 幸司; 今井 剛

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 528(1-2), p.110 - 114, 2004/08

 被引用回数:23 パーセンタイル:80.15(Instruments & Instrumentation)

原研では、核融合プラズマの加熱・電流駆動のための大電力ミリ波源ジャイロトロンの開発を行っている。これまでに世界に先駆けエネルギー回収技術,超高次モード発振技術,人工ダイヤモンド出力窓の開発を行うとともに170GHzの周波数において0.9MW-9秒,0.5MW-30秒などの成果を挙げてきた。長パルス動作時においては、散乱RFによるジャイロトロン内部の可動ミラー部ベローズの加熱に伴うアウトガスによって長パルス動作が制限されることを明らかにした。そこで、可動ミラー部ベローズの構造を散乱RFが入り込みにくい構造に変えるとともに、ステンレス製のベローズ表面に銅メッキを施し発熱を抑え、かつ熱伝導を良くすることで蓄熱を抑制することを試みた。その結果、改良を加える前と比較し、発熱は1/10以下に、熱拡散の時定数は冷却を行っていない状態において約1/3(270秒$$rightarrow$$90秒)に減少し、改良が有効であることが確かめられた。このことから、大電力において長パルス動作を達成できる見通しが得られた。さらに水冷却可能な構造にしたことから、連続運転にも対応できるものと考えられる。

論文

Study of ohmic loss of high power polarizers at 170 GHz for ITER

柏 吉忠*; 三枝 幹雄*; 高橋 幸司; 大石 晋平*; 星 勇希*; 春日井 敦; 坂本 慶司; 今井 剛

Proceedings of 2004 International Symposium on Microwave Science and Its Application to Related Fields (Microwave 2004), p.527 - 530, 2004/07

ITER等の核融合炉において、電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)システムは、特に新古典テアリングモード不安定性の安定化に必要不可欠である。その中で、高効率ECCDを得るために、最適な偏波を生成する偏波器は重要な要素機器の一つである。大電力RF伝送時の偏波器のジュール損失評価を目的として、170GHz大電力RF伝送実験を行った。その結果、深溝型偏波器の背面温度は最高で65度、従来型の偏波面回転用偏波器の背面温度は最高で30度の上昇を観測した。偏波器でのジュール損失は入射偏波面回転角及び回折格子回転角に依存することが計算から推定されているが、その計算結果と今回の実験結果は定性的に一致することが判明した。また、偏波器への入射RFの偏波角度を最適化することで、温度上昇(ジュール損失)を低減させることが可能であることも明らかにした。

論文

Toroidal electric field effect and non-linear effect on electron cyclotron current drive in JT-60U

鈴木 隆博; 井手 俊介; 濱松 清隆; Petty, C. C.*; Lao, L. L.*; 諫山 明彦; 藤田 隆明; 池田 佳隆; 関 正美; 森山 伸一; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 80(6), p.511 - 515, 2004/06

電子サイクロトロン波電流駆動(ECCD)の理論の検証は電子の衝突緩和に比べて小さなトロイダル電場$$E_phi$$や低パワー密度$$p$$の領域に未だ限られている。JT-60UではEC加熱パワーの増強により、電場とパワー密度を拡大した領域で実験が可能になった。本領域ではトロイダル電場またはEC波加熱により電子の速度分布が大きく歪み、ECCDの効率に影響することが予想される。本研究では、実験で測定したEC駆動電流及びその分布を、線形または非線形のFokker Planck計算と比較し、速度分布関数の歪みの効果を議論する。実験と線形計算による規格化電流駆動効率$$zeta$$の比$$zeta_{rm exp}/zeta_{rm cal}$$の規格化電場$$E_{phi}/E_{rm D}$$及び規格化パワー$$p/n_{rm e19}^{2}$$に対する依存性を調べた。$$E_{rm D}$$, $$n_{rm e19}$$はそれぞれDreicer電場,$$10^{19}/{rm m}^{3}$$単位の電子密度である。実験では、$$p/n_{rm e19}^{2}$$の増加とともに$$E_{phi}/E_{rm D}$$は負の方向に絶対値が増加し、両者はほぼ線形の依存性を示した。$$p/n_{rm e19}^{2}<0.5$$, $$|E_{phi}/E_{rm D}|<0.01$$では、誤差の範囲で$$zeta_{rm exp}$$$$zeta_{rm cal}$$に一致した。$$E_{phi}/E_{rm D}$$が負の方向に絶対値が大きくなるにつれ、また$$p/n_{rm e19}^{2}$$が大きくなるにつれ、$$zeta_{rm exp}/zeta_{rm cal}$$は減少する傾向を示した。ここでEC駆動電流の方向をトロイダル電場の正方向とする。 $$p/n_{rm e19}^{2} sim 4.9$$, $$E_{phi}/E_{rm D} sim -0.086$$では、$$zeta_{rm exp}/zeta_{rm cal}$$は0.68になり、線形コードは$$zeta$$を過大評価していると考えられる。本線形計算は、トロイダル電場が負の方向に大きくなると電流駆動効率を過大評価し、加熱パワー密度の増大による非線形効果が大きくなると過小評価する傾向がある。実験結果は、これら2つの効果を考えることにより説明できる。

論文

Heating and current drive by electron cyclotron waves in JT-60U

鈴木 隆博; 井手 俊介; 濱松 清隆; 諫山 明彦; 藤田 隆明; Petty, C. C.*; 池田 佳隆; 梶原 健*; 内藤 磨; 関 正美; et al.

Nuclear Fusion, 44(7), p.699 - 708, 2004/05

 被引用回数:31 パーセンタイル:69.2(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60Uにおける電子サイクロトロン(EC)波による加熱と電流駆動についての研究を発表する。LH波により生成された負磁気シアプラズマの中心部にEC波を入射し、26keVの電子温度を達成した。規格化小半径0.3程度までの広い領域で電子温度は24keVを超える。電子温度16keVまでの範囲でEC波による電流駆動効率$$eta_{rm CD}$$を調べ、電流駆動効率が電子温度に比例することがわかった。規格化電流駆動効率$$zeta=e^{3}eta_{rm CD}/epsilon_{0}^{2}kT_{rm e}$$は0.16であった。捕捉粒子効果はEC波の吸収位置に依存し規格化電流駆動効率を減少させると考えられ、不安定性の抑制等のために必要な駆動電流と加熱パワーの評価に影響する。そのため$$zeta$$の吸収位置に対する依存性を調べた。トーラスの弱磁場側での吸収では$$zeta$$に顕著な減少が観測された。Fokker-Planck計算と合致することから捕捉粒子効果を同定した。

論文

Direct evaluation of spatio-temporal change in current density profile applied to a discharge with neo-classical tearing mode

鈴木 隆博; 及川 聡洋; 諫山 明彦; 藤田 隆明

プラズマ・核融合学会誌, 80(5), p.362 - 363, 2004/05

電子サイクロトロン波電流駆動(ECCD)による駆動電流を評価するために開発した解析手法を新古典テアリングモード(NTM)の発生した放電に適用した。本手法はモーショナルシュタルク効果計測を利用してプラズマ電流密度分布の空間的・時間的変化を直接評価する。NTMによる磁気島発生位置に、NTMの発生時刻と同期してプラズマ電流の局所的な減少を観測した。NTMの磁気島の大きさと関係する磁場揺動の大きさが増大するにしたがって、電流の減少が大きくなった。電流の減少は磁気島内の圧力の平坦化に伴う自発電流の減少と考えられる。また、ECCDを磁気島内で行うことによって局所的に減少した電流を補いNTMを安定化した放電において、磁場揺動強度の減少にしたがって局所的な電流の増加を観測した。平衡再構築による手法では困難と考えられたポロイダル/トロイダルモード数が3/2といった小さな磁気島の発生に伴う電流分布の空間・時間的な変化を明確に評価した初めての成果である。

250 件中 1件目~20件目を表示